こんにちは。旅人文化振興会のブログでおなじみのマリリンです。
2001年7月、インドへの旅に出ました。当時は、特にインドなどの田舎の方ではまだインターネットの環境がそれほど整ってなく、メールを出すときには、Bccで一斉に報告という感じで送信をしていました。インドからの帰国後、写真展をするために、自分の送ったメールを少しだけまとめてみました。今から思うと恥ずかしいなと思うのですが、2001年のインドは私にとっても特別な想いがある旅で、今回、旅人文化のページに掲載することにしました。

ダラムサラからの手紙
日付 :05/08/01

dear all

chotto ohisashiburi-desu, kinou Manali...soshite, kyou Daramshala-ni tsuki-mashita, local-bus-de 4kai-mo norikae taihen deshita.

Leh-dewa tsuushin joukyou-ga waruku E-mail-ga dekizu, shinpai kakete shinmatte,,,takusan mail arigatou gozaimasu, watashi-wa airplane-ga ochitemo shinimasen. anshin shite kudasai. tada, gohan tabenai-to sugu shinjai masuga...India-wa gohan daijoubu.

Leh-dewa nihon-kara tomodachi-ga kite, yotei-yori nagaku taizai shiteimashita, okagede takusa-no hitoto nakayoku nari, tabidatsu zenjisu-wa tabemono-nado iroiro senbetu-ya atatakai kotoba-wo morai hidoku kandou... samishiku-nacchai mashita.

saigo-no-hi, Japanese temple-ni ittano-desuga, sokode NAMUAMIDABUTSU_wo yatteite, watashi-mo seiza shite sanka shimashita,
soshitara... chiisai koro yoku ojii-chan-to isshoni butsudan-ni tewo awasete ita fuukei-ga azayakani nioimade yomigaeri,,, nazedaka namidaga tomaranakutte...
bikkuri shimashita. itsumo shuukyou-no hanashi-ni naruto watashitte ittai nanikashira...tte kangaeru-no desuga,,,,, doushiyou-monaku ojiichan-kara-no bukkyou-no eikyou-wo tadai-ni ukete iru-koto-ni kigatsuki mashita.

dakarato itte naniga doutte iu kotodewa naino desuga, kono koto-ni yotte, mata hitotsu, jiyuu-wo moratta youna kiga shimasu,

koko Daramshala-niwa sukoshi shika inai-node, dalai lama-niwa aesou-ni naidesuga. ashita yoga akete, machi-wo aruku-noga tanoshimi-desu.koko-no cafe-made-no michi-nori-no yakei-mo totemo kirei deshita.
Roma-ji-de kakisugiru-to daremo yonde kurenai-node, konoatari-de,,,,
sutekina hibi-wo osugoshi kudasai.
with love

みなさま

ちょっとお久しぶりです。
昨日、マナリー、そして今日ダラムサラに着きました。ローカルバスで4回も乗り換えて大変でした。

レーでは日本からの友達が来て、予定より長く滞在していました。おかげでたくさんの人と仲良くなり、旅立つ前日は食べ物などいろいろ餞別やあたたかい言葉をもらい、ひどく感動、寂しくなっちゃいました。

最後の日、ジャパニーズテンプル(日本のお寺のことですね。海外にいると、カタカナ語が多くなります。)に行ったのですが、そこで、南無阿弥陀仏をやっていて、私も正座して参加しました。そうしてたら、小さい頃、よくおじいちゃんと一緒に仏壇に手を合わせていた風景が鮮やかに匂いまで甦り、なぜだか涙か止まらなくなって。。。びっくりしました。いつも宗教の話になると、私はいったい何かしら、って考えるのですが、どうしようもなくおじいちゃんからの仏教の影響を多大に受けていることに気がつきました。

だからと言って何がどうっていうことではないのですが、このことによって、またひとつ、自由をもらったような気がします。

ここ、ダラムサラには、少ししかいないので、ダライラマは会えそうにないですが、明日夜が明けて、町を歩くのが楽しみです。ここのカフェまでの道のりの夜景もとてもきれいでした。

ローマ字で書きすぎると誰も読んでくれないので、このあたりで。

素敵な日々をお過ごしください。

with love

現在のマリリンのコメント:
あのお寺でのことは、いまでもよく覚えています。父方の祖父は熱心な仏教徒で、とはいえ、私はインドを回っていた当時は(そして今でも)祖父の宗派とかそういうこととかにもほとんど分からないという状況だったのですが(ちなみにここにでる南無阿弥陀仏とは違うものですが)、まだ小学校にあがる幼い頃に一緒に大きな仏壇の前で正座をしていたことは印象に残っています。仏壇のお花やご飯を代えたりすることもよくやっていました。

祖父は、いろいろな事情もあってのことですが、孫の中では多分私を一番にかわいがっていました。大人になってみてみると、そのことがよく分かるし、その深い愛情に本当に感謝しています。祖父はその信心深さからか、もともとのパーソナリティーからか、町の環境などにも気を配り、乳母車を轢いて私を連れて、町の空き缶やごみなどを拾って掃除をしていました。今のエコ、とかそういう話を聞くと、その多くがなんだかちょっとうそっぽいなと、天邪鬼に感じてしまうのは、そういう祖父の自然な日々の営みを見ていたからかな、とも思います。

私の年齢でいうと、高校卒業時にオウムの事件があり、宗教というものに対しての不信感というか、そういう感覚がどこか気持ちに入り込んできていたような感じがしますが、世界を回ってみて、宗教を語ったり利用したりするのではなく、単純に生活に取り入れて暮らしている人々に出会い(ほとんどがそういう人たちですよね)、そういうほとんど気持ちはなくなりました。そして、ここに書いたような体験を通じて、自分自身も、そういった影響を受けていて、それはいつでも自分に優しさを取り戻してくれるような、そういう見えない存在であるようにも感じます。もちろん、そのいっぽうで過激な人たちが日々事件などを起こしているという話や、あるいは日々の中でも些細な会話であらわれるちょっとした他宗教への反発などには、寂しい想いはあります。

私は、「自分探しの旅」っていうのは、実のところあまり信じていなくて、というか少なくとも現代人の旅は「ごく潰し」であるっていう先輩の言葉に近い旅が、私の旅であるという風に思っていますが、それでも、時々、何かを見つけることがあるのかもしれないですね。探そうとしても、なかなか見つからないんですけれど。

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