青年海外協力隊員として、80年代の後半に中米へ赴任した 「世界が君を待っている」の旅行記でおなじみのトシリン。 彼の旅のきっかけから、憧れの協力隊への道のり、そして旅へと続くお話の新連載です。

旅の初めはカリブから

ジャングルトレイン

さて、サンホセは標高1000メートル、カルタゴはもうちょっと高いのですが、 そこを過ぎると後はカリブに向けて列車は下って行きます。 しばらくはコーヒー畑が続きますが、やがてジャングルの渓谷を最減速してノロノロと下ります。

渓谷沿いの崖沿いを縫うようにカーブが続き遥か下を川が流れている景色はコワイ。 しかもしばしば止まるんです。 崖沿いの橋の上なんかで止まると列車が空中に浮いているみたいなので、激しくコワイ。

ジャングルトレイン

このサンホセからカリブに向かう線は「ジャングルトレイン」と言って観光客に大人気らしいですが、 確かに見て見る価値はあります。

首都サンホセのある中央高原から、 山を下り切ったトリアルバという駅まで1000メートルを一気に下るんですが、 どんどんどんどん暑くなってきてトリアルバの駅に着いたころには、もう熱帯のジャングルです。 ここで列車を引っ張って来た機関車が、ディーゼルから電気に変わります。

ジャングルとレイン

コスタリカでは人口の90%以上が集中している中央高原よりも、 カリブ海側の低地帯の方が鉄道のインフラが整っているのです。 ここトリアルバから鉄道は電化されなんと複線化までされているのです。 なぜならこの低地帯には広大なバナナのプランテーションが広がり、 有名なアメリカンフルーツカンパニーという会社が投資をして、 「ドールバナナ」を輸出する港へ運んでいる為の鉄道を整備しているからなのです。人よりバナナの方が偉い。

さてこの辺まで来ると、 首都のサンホセでさえ日本に比べれば人々はのんびり暮らしているのに、 暑さのせいでさらにゆっくり動いています。 後になって分かりましたが暑い国の人は怠け者だという訳ではないのです。 暑いので日本人みたいにセカセカ動いたらバテちゃうんです。

トリアルバで休憩して明日はカリブの港町リモンへ向かいます。

旅人文化ホームページへ戻る