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■歌のような「終わりのない旅」渡り鳥■
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風太: |
一か所について、そのまわりをまわろうと思ったら、その場所の一番よい時期ってのがあるんですよね。だから南米をまわるときに全部しらべたんですよ、するともうそれで1年の行動が決まってしまう。それにそって、押されるようにどんどん移動していく。それを逃すとまた1年待たなくてはいけない。 |
澤畑: |
ああ、それは旅人だよな。その国その町のいいとこいい時期をしらべて、ずーっと旅していくってもの。 |
風太: |
むかしユーラシアを横断したとき。ビザの期間があって、ビザをとれる場所が決まっていたりするから、けっこう綿密に計画をたてないとまわれない。 |
山本: |
私の場合けっこう無計画だから、時期とかあるていど調べるけど、あそこに行ってビザとれなかったら、じゃあこっちへまわってしまえとか、そういうタイプだからすごい大変。 |
風太: |
ビザがとれなくて予定どおりまわれないことがある。それから、おわりがない、行くとその先があって。 |
山本: |
うん、行くと、そこで誰かに会って、あそこに行ってきたとか、そういう話を聞くと行きたくなっちゃう。ひとによっては、とにかくパスポート持って国境をこえるというのが大事で、そこで何をするかとかない、ま、とにかく食べることはするんだろうけど。 |
風太: |
だいたい、その先が見たいという好奇心。 |
澤畑: |
ほう、行ったらどんどん始まっちゃうんだね。 |
風太: |
そうだね。 |
澤畑: |
ふつうの旅行って、計画で行って帰ってくるじゃない、旅というのはおもしろさが続いちゃうということ? |
風太: |
うん期限がない。 |
澤畑: |
ああそうか期限がない。 |
風太: |
うん。 |
山本: |
うん。期限つくって行ってもだいたい計画どおりにはいかない。私もいつもどんどんのびていく。 |
風太: |
飛行機が、けっこうむずかしいんですよ旅行中。 |
山本: |
すごい決心がいる。 |
風太: |
お金がなくなってもまだいたいと思うから。 |
澤畑: |
ああそうか。 |
風太: |
そこで働いちゃうひともいるし、ほんとにおかねがつきちゃって、けっきょく送金してもらって、それで帰る人と、そのかね使ってまたさらに行ってしまうひとがいて。
山本 いるいる。 |
(そりゃまあ、ヘビーな)
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澤畑: |
帰りたくないというより、ずーっと続けたいんだ。ああ、それはおもしろいな。最初の話にもどるけど、旅人というグループに文化というものがあるとしたら、なんだろうね。 |
山本: |
出会い。 |
澤畑: |
とらわれない。自分の文化からの逃避者、いい意味でね。 |
山本: |
逃避というより、やはり「不思議発見」じゃないかな。 |
澤畑: |
ああ、不思議発見ね、不思議発見を楽しむ人生。 |
山本: |
日本だけで得る情報じゃ、ちがうもん。 |
風太: |
食べ物、におい、町のにおい。 |
(そして、まだまだ旅人たちの話は、次号へ続く)
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