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「旅人文化」というのが、あるかどうかは、わからない。わからないが、「旅人文化」という言葉をおいてみると、ありそう気がする。「旅人文化」を考えることで、なにか発見や可能性があるかも知れない。
旅行社が募集するような「商品としての旅、消費としての旅」とは別の旅が存在するのも、たしかだ。ふつう「バックパッカー」とよばれる人たち。ふえている。
「商品としての旅、消費としての旅」とはちがう旅を「旅人文化」としてとらえることが可能なのではないか、とも思う。
たとえばだ。澤畑さんの場合は、「旅人」という言葉に、すごいロマンをこめて語る。ちょいとロマンチックすぎはしないかと思うほど、「いいなあ旅人は」「旅人はさ、発想がいいね、自由だよ」と言ったりする。その場合の「旅人」は、単なる「旅する人」「旅行者」のことではない。
それに山本さんや風太さんのようなヘビーなバックパッカーとなると、すべては旅のためで、うーむ、たしかに「旅人」以外のなにものでもないと思わせるものがある。
やはり「旅人文化」はあるようだ。しかし、それはこうこうこういうものだ、こうあらねばならないと言った瞬間に、「旅人文化」でなくなるようでもある。「旅人文化」とは、旅を続けるように求め続けるところに意味が、あるのかないのか……それすらもわからない。ただただオモシロイだけのシロモノという感じもある。
もしかすると日本を出なくても「旅人」である。それに「旅人」を迎えることも「旅人文化」なのかも知れない。このように考えが放浪すること、まさに「旅人文化」なのかも知れない。
ということで、ある日、澤畑さんと山本さんと風太さんの三人は、喫茶店でオシャベリしました。
・澤畑男世界股旅仕事人歴30年
・山本女背負子旅人歴8年
・風太男背負子旅人歴13年 |
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